契約社員と正社員の違い -確認するべきポイント-
「正社員から契約社員へのキャリアチェンジを考えている」「勤めている企業で、契約社員から正社員への転換を打診された」という場合、両者の違いを正しく知った上で判断することが大切です。
この記事では、契約社員と正社員の違いと、契約時に確認しておくべきポイントを紹介します。
1. 正社員・契約社員とは
正社員は正規社員ともいわれ、非正規社員と分けて使われる雇用形態のことを指しますが、法律で決められた定義はありません。
一般には、「労働契約の期間の定めがない」「所定労働時間がフルタイムである」「直接雇用である」労働者を正社員と呼ぶことが多くなっています。
一方、契約社員(契約職員)とは、雇用主と期間の決まった労働契約(有期雇用)を結び、契約で定められた仕事をおこなう労働者のことを言います。
契約社員は一般的に使われる通称で、法律上では有期契約労働者の一種として扱われます。
2. 契約社員と正社員の違い
まず、契約社員と正社員の違いは契約期間の期限が定められているかどうかです。
1回当たりの契約期間の上限は、一定の場合*を除いて3年までで、契約期間が終わると労働契約は自動的に終了します。
労働基準法では、契約期間に期限がある場合、契約更新の有無、契約更新の条件を示すように決められています。
*高度な専門的知識を持つスペシャリストや満60歳以上の労働者の場合、最長5年
2013年より、同じ事業所で5年を超えて働くと、契約職員からの申し出により労働契約が無期になるという法律が施行されました。
3. 賞与と退職金について
契約社員の場合賞与や退職金がもらえるかどうかは、契約職員に適用される就業規則か労働契約次第です。
国は「同一労働同一賃金」という原則の法制度化を進めているので、正社員と同じようになると見込まれています。
※契約社員の場合やむを得ない事情がない限り契約期間中の中途退職は損害賠償請求の対象になることもあります
働く上で事前にしっかりと確認することが大事ですね。
4. 保険加入条件
保険別に加入条件を見ていきましょう。
*健康保険・厚生年金保険
2つの条件を満たすと加入義務があります。
- 1ヵ月の所定労働日数が一般社員(正社員)のおおむね4分の3以上であること
- 1日または1週間の所定労働時間が一般社員(正社員)のおおむね4分の3以上であること
また、2016年10月の法改正によって、以下の条件をすべて満たすと週20時間以上の労働時間でも加入義務があるとみなされます。
- 従業員数が501人以上であること
- 月額賃金が8.8万以上であること
- 勤務期間が1年以上またはその見込みがあること
*雇用保険
- 週20時間以上所定労働時間(残業時間含まない)
- 31日以上の雇用見込み
保険制度については正社員の場合と大きな差はないかなと思います。
5. 最後に
契約社員と正社員、企業や契約条件によってさまざまな違いがありますが、上記の内容を基礎知識として持っておくだけでも、働き方を選択する上で有利になります。
重要なのは、自分のキャリアプランやライフスタイルをよく検討し、それに合った働き方を選ぶこと。
その上で、企業から言われたことを鵜呑みにせず、契約書に書かれている内容は必ず確認しましょう。
他にも気になる正社員と契約社員による育休・産休制度の違いについては次回の記事で見ていきましょう。